◆腰が痛く病院でレントゲン、MRIで脊柱管狭窄症、ヘルニア、変形と言われ来院
当院に来院され詳しく診ると、腰椎の圧迫骨折(いつの間にか骨折)、腰椎分離症の方がおられます。
患者さんは病院でレントゲンを撮り「何もない、折れていない」と言われたのに、私が触診と目視で「腰が折れてます」と行っても、なかなか信じてもらえません。
60代以降の年齢の方に多いのが腰椎の圧迫骨折で、私が「折れてます、明日、田辺中央病院に行ってください」と言うと、「明日から旅行に行くから、三日後に行きます」とか「明日は市役所に行くから、明後日で」などと言われます。
もちろん撮影すると、腰に圧迫骨接があり、患者さんは、「まさか折れてるとは思ってなかった」と言われます。
圧迫骨折の場合、重症の場合は救急車で搬送されるのですが、軽い場合は「歩行は可能、寝返りがうてない、動き初めが痛い」という症状が現れます。
10代から20代に多いのが、腰椎の分離症です。
この部分が分離するのですが、いくつかのテストで折れているかどうかわかります。
バレーボールや陸上競技をしている若者に多くみられます。
ただ、腰椎分離症は日本人の場合、100人中、5人ぐらい気付いていない人もいるようで、痛みが無い場合はあまり気にする必要は無いと思います。
「スポーツをしていて、以前から腰痛があったけど、最近座っていても痛みが強い」など継続する強い痛みの場合は分離症の疑いがあります。
では何故レントゲンで圧迫骨折、分離症が写らない場合があるのか?
1、折れてすぐの場合写らない事がある。
2、MRIでしかわからない場合もある。
3、上手くレントゲンが撮れていなかった。
この3つが原因だと思います。
私が病院勤務時代、院長先生が「ちゃんと写ってないから、撮りなおして」などという事がありました。
レントゲンも写真なので、多少の上手い、下手はあります。(最新の機器などはどうかわかりません)
それと、病院の先生が、「レントゲンで折れていないから大丈夫、痛みが続くなら又来院してください」と言っても、患者さんは話を最後まで聞いていない事があります。
先生の「折れてない。大丈夫。」で安心して、「痛みが続くなら又来院してください」は耳に入っていない場合があります。
大丈夫と言われても、痛みが続く場合は何回か通院してください。
それと腰の痛みの場合悪性腫瘍の事があります。
割合は当院で10年に1人ぐらいですが、ここ最近は2人ほどおられました。
1人の方は4、5軒の総合病院でMRIを撮られたのですがヘルニア、狭窄症と言われていました。
当院に来院された時は、「尿が出にくくなってきた」と来院されました。
確かに、腰椎の3番4番の間に小さなヘルニアらしきモノがみられたのですが、それが原因で尿が出にくくなるとは思えませんでした。
来院時、MRIはお持ちでは無かったので、来院の2日前に撮られた病院に行ってもらい、そのMRIと当院での紹介状を持って、近くの病院の脊椎外来に行ってもらうと、他院で撮影したMRIの下の部分に腫瘍が写っていました。
その患者さんも、4,5軒病院を回らずに、1軒の病院に何回か通院していたら、もっと早く腫瘍を見つけられたかもしれません。
病院の先生も「何かあればもう一度来院してください」と笑顔で患者さんに言ってあげていたら、発見が早かったかもしれません。
もし、最初に当院に来院されていたら、「ヘルニア?おかしい?」とは私も思ってなかったかもしれません。
身体の痛みを治したいと思われている患者さんにアドバイスは、病院で「大丈夫」と言われても、痛みが続いた場合は数回、通院してみるのがいいと思います。
当院でも、一度の来院で終わってしまう方がおられます。
なかには1年後に来院されて「以前の痛みは1回で治ったから来なかった」と嬉しい言葉をいただく場合もありますが、なかには私の力不足で2度目の来院を躊躇された方もおられると思います。
今年は昨年よりも、身体の不調で悩んでる方の力になれるように頑張ります。