腰痛・膝痛は運動をした方がいいのか?

2017/10/27

腰や膝、交通事故のむちうち症などで来院される患者さんから、「運動はした方がいいですか?」「歩いた方がいいですか?」とよく聞かれます。

この質問には、なかなか一言では答えられませんが、たいていの場合は「痛みが出ない程度に運動するのがベストです。」と答えるのですが、一人一人、痛みの程度や症状、年齢、歩き方、姿勢などによって差があります。

ただの腰痛と思っていても、腰の圧迫骨折などで安静が一番の場合もあります。

「何分歩いたらいいですか?」と言う質問でも、人間の歩くスピードは時速4㎞程度といいますが、これも年齢により時速2㎞の方もいれば、時速6㎞の方もおられます。

歩行や運動、特に高齢者の方に大切なのは、運動、歩行の距離や時間では無く、「正しい姿勢でトレーニングを出来ているか?」、「正しい姿勢で歩けているか?」なのです。

下の図で左図の方、右図の方が同じ距離を歩いたとしたら、早く疲労したり、痛みが現れるのは右図の人です。

じゃあ、腰が完全に曲がってしまってる人は運動してはダメなのでしょうか?

そんなことはありません。腰が完全に曲がっている人なら、短い時間での歩行をなるべく姿勢に気をつけて歩いていただければ良いと思います。

悪い姿勢で長時間の運動や歩行を続けていても、身体を悪くする場合もあります。かといって、トレーナーを雇ってトレーニング、などということは、個人では難しいと思います。

私が患者さんに説明する時は、痛みが強い時は正しい姿勢で運動が出来ない事が多いので、無理のない範囲で普段と同じ生活を続けてもらい、過度なトレーニング、強い運動は避けてもらいます。

炎症が強い時に無理に身体を動かしても痛みが増すだけです。かといって寝ているだけでは筋力が落ちてしまうので、なるべく普段と同じ生活はした方がいいと思います。

負荷をかける運動は元気になってから行えばいいのです。

 

運動や歩行は、するorしない、だけで無く、生活習慣や、運動する時の姿勢が大切なのです。

よく患者さんは、何も(運動など)していないのに腰や膝が痛いと言われます。

私が仕事や農作業が原因では?と言うと患者さんは

「痛みが出るほど長い時間身体を動かしていないから、仕事で痛めて無い。」

「畑は昔からしている。時間も昔程では無く畑仕事は腰痛と関係無い。」

「家で座ってテレビを見ているだけで、腰が痛むような運動をしていない。」などと言われますが、仕事も農作業も座位も、痛めるのは時間だけでは無く、姿勢や体勢、負荷のかかり具合なども大きく関与します。

下の図のように、骨盤が後傾した姿勢で歩行を続けると、太ももの前の筋肉は緊張し痛みが出ます。 体重のかかるつま先(趾よりの足の裏)に痛みやシビレが出ます。 背部や膝の裏にも負担がかかります。

「座っているだけで痛みは出ない」と言い切る方もおられますが、正座をすると、こむら返り(足がつる)が起こります。これは血流や筋肉が過度に収縮した場合に起こるのですが、あぐらをかいていても椅子に座っていても、血管は体重で押しつぶされ、血流が悪くなります。

年齢と共に動脈が硬くなり、長時間の座位で太ももやふくらはぎが痛む事は十分あり得るのです。

痛みは骨や軟骨だけでは無く、筋肉のこわばりや血流の滞りで起こる事が多いです。

正しい姿勢で生活をしないと、なかなか健康な身体にはなれません。

当院では、様々な治療に正しい姿勢、正しい歩き方、正しい運動方法なども、ご指導させていただいております。

お気軽にご来院ください。

 

 

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